宇宙を焼く2


フトマニ・クッキー


 (ウ)の一息から、(ア)と(ワ)の二つの渦巻きが生じ、そうして宇宙は始まった……。


 人類はまだ、宇宙創生を再現するまでの技術を持ち合わしてはいませんが、前回の「宇宙を焼く」では、アウワ(アウワ)の三文字だけを成形し、以下のように書きました。


いずれはフトマニ図48文字のコンプリートを、

などと思ってはみたものの、

「ウ」の成形だけでも苦心したことを考えると、

趣味で焼くには命を縮めるかもしれません。

あるいは、ここからが技術革新なのか……。


 今回、フトマニ・クッキー創生のために調達したのが、ローランド社の小型カッティングプロッタ・STIKA(ステカ)です。パソコンでデザインしたオリジナルの図柄を、シール状のステッカーとして切り出してくれるマシンで、廉価モデルのSV-8は3万円ちょいで買えます。



ステカ

カッティングマシン Roland DG STIKA SV-8


 Illustlatorを使って出力用のデザインシートを作成しました。ヲシテ文字はRJヲシテ・トコヨ体W3を使いました。STIKAからの出力によって、ヲシテ文字の輪郭線に切れ目が入ったビニールシートが出来上がります。シートに光を当てると切れ目が確認できます。



ヲシテ1

STIKAは、かなり細かいデザインも切り出せます


 ビニールシートを真鍮板に貼り付け、文字の部分をカッターやピンセットなどで剥がしていきます。これがなかなかの難作業で、丁寧にやらないと残しておくべき部分も一緒に剥がれてしまいます。真鍮板は200x365mmで厚さ1mmのものをホームセンターで購入。1枚2,250円。ヲシテ文字51文字(48文字+アウワの3文字)をレイアウトするのに2枚使用しています。



ヲシテ2

一文字一文字、丁寧に剥がしていきます


 全部の文字を剥がし終え、不要な露出部分にマスキングテープを貼ったものが以下です。黒地に金のヲシテ文字が綺麗です。これだけで、見とれていたい感じですが、作業はまだまだ控えています。ヲシテ文字は、最終的にクッキーに転写することになるため、Illustlatorでレイアウトする時に左右鏡像にしてあります。



ヲシテ3

格調高い黒地に金のヲシテ文字


 続いて、この真鍮板を金属用エッチング液に浸します。シールが剥がれているヲシテ文字の部分だけが、エッチング液によって腐蝕し、凹版となるわけです。エッチング液は塩化第二鉄の腐蝕液。500mlで410円でした。これをぬるま湯で3倍に希釈し、真鍮板を2時間浸しました。浸け込みが終わったら、重曹を混ぜた水でよく洗ます。重曹を使うのは腐蝕反応を止めるため。ビニールシートとマスキングテープを剥がし、真鍮板の作業が完了です。



ヲシテ4

文字部分が僅かに凹んでいます


 この、凹んだヲシテ文字の部分に、湯煎したチョコレートを流し込みます。文字からはみ出たチョコレートを綺麗に拭き取り、その上にクッキーの生地を置きます。それをオーブンで焼いたものが、冒頭のフトマニ図(クッキー仕様)です。


 いろいろと面倒な工程が重なりますが、完成したヲシテ文字の真鍮板の型は繰り返し使えます。大切なお客様のおもてなしなどに使おうと思います。


 去る2月10〜12日の3日間、いときょう先生による「ホツマ×琉球」というイベントが沖縄で開催され、最終日には、宜野湾市のESSENCE963にてワークショップがありました。今回のフトマニ・クッキーはこのワークショップに合わせて作った次第です。


 まずは、いときょう先生にフトマニ図の真ん中の「ウ」を召し上がっていただきました。口に入れた瞬間「うっ」とおっしゃるようなことはなく、喜んでいただき、ワークショップに参加された方から「美味しい!」と言っていただけ、作った甲斐がありました。ワークショップ会場のオーナーさんが飼っていらっしゃるネコちゃんも、1枚かじって、どこかに消えました。



ヲシテ・ネコ

みやあ(ミヤア)

写真提供:ハニーさん(イベント主催者)



2018年2月13日