緊張の夏



 夏の風物詩に蚊取り線香があります。あの業界も電子化が進み、少々風情がなくなりましたが、昔は渦巻き蚊取りでした。

 結局、痒いのがイヤなんですよね。蚊の皆さんに、極く少量の血液を差し上げることくらい、あの程度で彼らが喜ぶのならお安い御用。でも、その後に痒いのがイヤなのです。耳元のプ〜ンもイヤだけど、あれは一過性のもの。痒いのは後々にも尾を引きます。

 たかが痒み、されど痒みです。気が狂わんばかりに掻きむしることもあります。それが辛いものだから、つい、化学兵器を使ってしまう。ついつい、蚊取り線香に着火してしまう。

 ところが、あちらさんにもツワモノがいる。蚊取り線香上空十数センチ。煙を突っ切るように飛行し、平気そうにしている蚊がいたりする。

 そこで……、渦巻き蚊取りをダブルにします。片方を裏返します。写真のようになります。これぞまさしく、フトマニ図の中心部、アウワ(アウワ)のアとワ。始まりと終わり。

 蚊の皆さんだって、宇宙の法則を前にしては、緊張して、食事どころではなくなるかもしれない。

 火が点いていなくても、アワを見たら、どうか察してもらいたい。殺生が好きなわけではないことを。くどいようだけど、痒いのがイヤなのです。


2017年7月27日